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年金はいくらもらえるの?厚労省は「年金額を保証した覚えない」

年金はいくらもらえるの?厚労省は「年金額を保証した覚えない」

将来年金はもらえる?もらえない?

現役世代の多くは将来年金がもらえないと疑問を持ちながら支払い続けています。

サラリーマンの場合、年金は給料天引きで国家権力により強制徴収されます。

1億総活躍社会が提言されていますが、年齢を重ねてから労働に身をゆだねるのは辛いです。

そのため、多くの人は現役世代の時の貯蓄を切り崩して老後の生活を成り立たせています。

年金がもらえないにせよそれは将来のこと。今は関係ない

多くの人が上記のような思い込みを不思議と受け入れていました。

しかし、年金事情は刻一刻と変化しています。

最低限度の生活が保証される水準の年金は保証されているはず

もしも、そう考えているのだとしたら危険です。

本記事では、最新の年金制度設計の変更などを紹介していきます。


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年金はいくらもらえるのか?

  1. 年金法改正案の中身(平成33年開始予定)
  2. 年金の減額訴訟
  3. 厚生労働省の年金への見解

年金改正案の中身(1)

日本では「年金逃げ切り世代」という言葉が頻繁に用いられます。

年金生活者にとってみれば、自分たちは逃げ切り世代だと認識していると思います。

そして、年金が減らされるのはあくまで将来の話だと認識していると思います。

そのため、いくらニュースで年金の話題を取り上げられても関心は薄かったと思います。

しかし、年金逃げ切り世代は安心という過去の常識が破壊されようとしています。

厚生労働省は、年金制度改正の内容を以下のように説明していました。

年金は世代間の仕送りであることから、現役世代の負担能力が低下している時は、賃金変動に合わせて改定
【引用:厚生労働省の法案説明資料】

しかし、年金制度改正の具体的な中身はわからずじまいでした。

そんな中、衝撃が走った発端は、2016年10月3日の衆院予算委員会での一コマです。

民進党の玉木雄一郎代議士と塩崎厚生労働相とで以下の答弁が交わされました。

玉木氏
賃金が下がれば、今、年金を受け取っている方の年金も引き下げることを可能にする法案という理解でいいのか?

塩崎厚生相
おっしゃるとおり。一つは、賃金を下げ、物価も下がる時には、物価の下げに加えて、賃金のマイナス幅まで下げる。それから賃金が上がる時には、賃金の下げに合わせて下げる、ということでございます

これからの年金支給額は、現役世代の「賃金」と「物価」に合わせて決めるということです。

少しわかりにくいかもしれないので、賃金、物価、年金の関係性を以下に図示します。

年金改正案 平成33年

つまr、年金の支給額が上昇するのは「賃金」も「物価」も上昇する場合のみです。(パターン①)

なお、年金が上昇する場合でも「賃金」と「物価」の上げ幅の小さい方を元に支給額は計算されます。

一方で、「賃金」と「物価」のいずれかもしくは両方が下がれば下げ幅の大きい方に合わせて年金は計算されます。

いかがでしたでしょうか?

つまり、賃金・物価の両方が上がる理想的な好景気の時以外は年金を減らすということです。

ちなみに、2016年度の厚生労働省の年金改定の指標では、物価と賃金は以下のようになっています。

  • 物価 ⇒ +0.8%
  • 賃金 ⇒ -0.2%

もしも今年度の状況を年金改正案に当てはめると、年金は減額されることになります。

物価は上昇しているのに、年金は減額されるということです

当然生活は苦しくなる事が目に見えています。

年金生活者の多くは、そもそも貯金を切り崩して生活しています。

つまり、年金受給額の現象は、年金受給者4,000万人の消費が落ち込みに直結します。

消費が落ち込むのですから、景気は落ち込むのは必然のように思います。

以上で説明した年金改正法案は、平成33年から適用される見込みです。

では、一体いくら受給額は減らされるのでしょうか?

専門家によれば、国民年金は年間約4万円の減額、厚生年金は年間約14万円の減額なのだそうです。

行政書士でもある井坂信彦・代議士(民進党)は過去10年間の物価と賃金の変動推移をもとに現行制度と年金額を比較し、新ルールなら10年間で年金額が5.2%下がっていたことになるとの試算を弾きだした。国民年金は1人「年間約4万円」の減額、厚生年金の場合、夫婦2人で月額22万7000円(年間271万円の標準モデル世帯)で「年間約14万円」の減額になる計算だ。
【引用:2016年11月4日 週刊ポスト】

一方で、厚生労働省は2016年10月17日に公式試算を国会に提出しました。

厚生労働省による試算の要点のみを箇条書きにしておきます。

  • 過去10年間で基礎年金は月額約2,000円減少
  • 将来(2043年)、基礎年金は月額5,000円程度増加

つまり、年金生活者の給付カット分を現役世代に回すことを意味しています。

しかし、厚生労働省による試算の前提は、以下のように見通しが甘いのです。

  • 年金積立金の利回り4.2%
  • 日本の経済が物価・賃金ともに右肩上がり

日本の国家公務員の頭脳は優秀だと思います。

だからこそ、自らの試算が甘い見通しに基づいていることは理解しているはずです。

嘘で固めた試算を提出して、国を守るために働いている官僚は幸せなのか同情してしまいます。

そもそも、世代間で支えるという年金制度そのものは完全に破たんしています。

いま政府がやっているのは、問題を先送りにする延命処置にしかすぎません。

年金の減額訴訟(2)

年金の受給権を「憲法29条で保証された財産権」だと認識している人は多いと思います。

なぜならば、これまで国は、年金を老後の生活の支えとして説明してきたからです。

国民皆年金制度が始まった1960年代のはじめには、社会保障審議会は以下のように謳っていました。

皆年金をやる遺贈は、公的年金は生活保護以上の水準を目指す

しかし今では、「財源がないから仕方がない」というのが国の本音のようです。

つまり、「老後資金は国を当てにしないでね」という思いが年金制度改革には込められています。

以上のように、国民と国の間では深い溝が横たわっているのです。

そのため、今日本では全国各地で年金減額の違憲訴訟が起きています。

原告団は、日本全国各地に4,000人以上にもなります。

集団訴訟の争点は大きく分けると2つあります。

  1. 特例水準の解消による年金引き下げ
  2. マクロ経済スライドによる年金引き下げ

特例水準の解消による年金引き下げ(2-A)

2013年に、特例水準の解消による年金引き下げが実施されました。

実は10年以上も前の1999年~2001年の不況期、3年連続で物価が下がったのです。

物価が下がれば年金を下げるのが、物価スライド制度の考え方です。

しかし、10年前の政府は、高齢者向けの「景気対策」として年金額を据え置いたのです。

物価下落にも関わらず年金支給額が据え置きにした10年前の事実を覚えている国民は少ないでしょう。

しかし、2013年になって政府は突然「10年前の年金は貰いすぎ。返してもらう」と態度を急変させます。

厚生労働省は、2013年から年金生活者の受給額を3年間にわたり2.5%引き下げます。

マクロ経済スライドによる年金引き下げ(2-B)

2015年に初めて発動された「マクロ経済スライド」に対しても訴訟が起きています。

マクロ経済スライドとは、物価が上がると年金受給額が増加する制度です。

しかし、年金の増額率は必ず物価上昇率よりも低い水準におさえられるのが特徴です。

このマクロ経済スライドは今後30年にわたり続くことが決まっている制度です。

つまり、年金を受給していない現役サラリーマン世代の年金受給額を減らす仕組みです。

さらにいえば、年齢が若くなればなるほど、受給額が大きく減少する仕組みなのです。

次に、厚生労働省の年金に対する公式見解を紹介します。

厚生労働省の年金への見解(3)

厚生労働省の年金への公式見解はどうなっているのでしょうか?

2016年11月4日号の週刊ポストが厚生労働省年金事業管理課に取材しているので引用します。

週刊ポスト
高齢者の年金減額は違憲ではないのか?

厚労省
年金制度はもともと受給額が下がることが想定されている制度だと今後主張しようと検討している

週刊ポスト
どの法律に年金額が下がることもあると書いてあるのか

厚労省
そういうことは書かれていない

週刊ポスト
被保険者に毎年送られる「年金定期便」には、もらえる年金額が書かれている。あれも違うのか

厚労省
あくまで見込みとなているはずです。この年金額を保証するなんてどこにも書いていないはずですよ

まとめ

もう年金は上げられないから覚悟して下さい」と現役世代に通告する方が、受給年齢になって「年金はあてにしないでください」と通告されるより親切です。

国民に隠れてコソコソコソコソと事を進める厚生労働省には失望します。

また、それらを報じない新聞・テレビも残念でなりません。

大事なことをあえて取り上げないテレビ・新聞を信用する人も年金と同様に少なくなるでしょう。

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