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任意売却とは?事前知識ゼロでも完璧に理解できるわかりやすい解説

任意売却とは?事前知識ゼロでも完璧に理解できるわかりやすい解説

任意売却に興味がある方であれば住宅ローンの支払いに悩んでいると思います。

  • ローンの支払い額の増加で苦しい
  • 給料・ボーナスが減った
  • リストラ・倒産に巻き込まれた
  • 離婚で経済的余裕がなくなった
  • 転勤で賃貸に出した不動産が空室状態 etc

様々な事情で住宅ローンの返済が苦しくなり返済が滞ります。

そして自宅を売却したとしても住宅ローンを完済することができません。

住宅ローンの返済が滞り続ければ「競売」の2文字が頭をよぎります。

競売が開始されると、債務者の意見は無視された安い価格で自宅が落札されます。

一方で、競売を避けて所有者の「任意」の条件で不動産売買をするのが「任意売却」です。

任意売却はメリットばかりが注目されがちですが、デメリットもあります。

また、任意売却を必ずできるわけでもありません。

さらに、任意売却は通常の不動産売買以上に難しい取引のため業者選びが重要です。

本記事では、事前知識ゼロで任意売却を理解できるようにあらゆる観点から説明します。

丁寧に説明した分だけ記事の文字数が少し長くなっています。

しかし、任意売却成功のためには確実な理解が欠かせません。

是非とも参考にしてください。


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任意売却とは?

本記事は以下のテーマに沿って任意売却を説明していきます。

  1. なぜ「任意」売却なのか?
  2. 任意売却が注目される背景
  3. なぜ任意売却が難しいのか?
  4. 任意売却のメリット
  5. 任意売却のデメリット
  6. 任意売却の流れ
  7. 任意売却ができない条件
  8. 任意売却の業者選びが重要な理由

なぜ「任意」売却なのか?(1)

任意売却は、競売を避けるための対策の一つです。

そのため、任意売却は競売との対比で説明すると理解しやすいです。

まずは少しだけ、競売の解説をします。

競売とは?(1-1)

競売とは、抵当権者が抵当権を実行し裁判所に申し立てる制度のことです。

つまり、担保に設定した不動産を裁判所の力を借りることで現金化して回収する制度です。

ちなみに、競売には2つのタイプがあります。

1つ目は、先ほど説明した、担保に設定した不動産を強制的に売買する「担保不動産競売」です。

2つ目は、担保に設定していないものを、裁判所の判決や公正証書の内容に基づいて、強制的に売買する「強制競売」があります。

そして、「担保不動産競売」、「強制競売」の2つを合せて「不動産競売」といいます。担保を設定せずに住宅ローンを組むのは現実的ではありませんから、不動産競売といえば「担保不動産競売」のことだと考えてまず間違いありません。

任意売却と競売の違い(1-2)

家族の思い出が詰まったマイホームを売買してほしくないと抵抗しても、裁判所の力で強制的に不動産売買を成立させるのが競売でした。

一方で、任意売却は裁判所の介在なしに自分の財産(不動産)を「任意」(自分の意思)で売却するものです。自分の意思で売ることができるかできないかが、競売と任意売却の一番の違いです。

ここまで説明すると、「任意売却」と「通常の不動産売買」の違いがわからなくなるかもしれません。なぜならば、任意売却も、通常の不動産売買も、自分の意思で売ることができるという点で共通しているからです。

しかし、「任意売却」と「通常の不動産売買」には大きな違いがあります。

通常の不動産売買では、「売り手」と「買い手」が値段交渉をして納得すれば売買が成立します。

一方で、任意売却は「買い手」と「売り手」以外にも「債権者」を取り巻く取引になる点に注意が必要です。

つまり、買い手と売り手が合意できる取引でも、債権者が「NO」なら取引は不成立になるのです。

なぜ任意売却が難しいのか?(2)

不動産取引に債権者が関与すると、なぜ不動産取引が難しくなるのでしょうか?

ここからは、任意売却の歴史とともに振り返っていきたいと思います。

サービサー法の施行(2-1)

そもそも、任意売却という手法が日本で認められたのは、1999年2月1日に施行された「債権管理回収業に関する特別措置法」(通称:サービサー法)がはじまりです。サービサー法が施行される以前は、通常の不動産売買の形しかありませんでした。

また、住宅ローンの返済に苦しんでいる人のほとんどは債務超過に陥っています。「不動産の市場価格<住宅ローンの残債」の状態であり、仮に不動産を売却しても住宅ローンを完済できない状態です。ちなみに、この状態を「オーバーローン状態」といいます。

サービサー法施行前では、オーバーローン状態の場合、抵当権を抹消するために必要な追加資金を用意するか、借り換えローンなどを利用して毎月の金利負担を減らす方法の2つぐらいしか解決策はありませんでした。

しかし、ローンの払いに苦しんでいる人がオーバーローンを解消する資金や、借り換えローンの必要な費用を捻出することは現実的な選択肢ではありませんでした。

以上のような状況下で生まれた「任意売却」という手法ですが、新しい手法だからといって一気に普及したわけではありませんでした。なぜならば、任意売却という手法が解禁された当初は、認知度も低く、任意売却に熟知した人もいなかったからです。

結局は、支払いの負担軽減を求めて、金融機関に条件変更の相談をするのが現実的な選択肢でした。

しかし、金融機関に条件変更を依頼し続けることが難しい時代がやってきました。そのきっかけとなったのが、中小企業金融円滑化法の期限切れです。

中小企業金融円滑化法の期限切れ(2-2)

任意売却が注目され始めたのは「中小企業金融円滑化法」(通称:モラトリアム法)が期限切れを迎えた2013年3月末の少し前からです。

この法律名に「中小企業」とありますので、中小企業に特化した法律だと勘違いしてしまいますが個人にも強い影響を与えていた法律でした。

中小企業金融円滑化法では、以下のように記載されていました。

中小企業又は住宅ローンの借り手から申し込みがあった場合、できるだけ、貸付条件の変更など、債務弁済負担の軽減のための処置をとるように努める
【中小企業金融円滑化法】

つまり、中小企業金融円滑化法が施行されている間は、「この人の収入や生活状況では住宅ローンの支払いが難しいな」と金融機関が思ったとしても、国は「ちょっと返済を待ってあげてください」と指示していたのです。

しかし、返済の猶予を与えてくれる法律自体がなくなるのですから、銀行が債務者に対して厳しい態度になるのは自然の流れです。

住宅ローンが払えない債務者は、金融機関にリスケジュールなどの条件変更を相談するのが一般的です。

しかし、中小企業金融円滑化法が終了して以降は、条件変更は簡単に認めてもらえるものではなくなってしまったのです。

金融機関も競売は避けたいのが本音(2-3)

債務者が住宅ローンを支払えなくなり、条件変更(毎月の支払いを少なくするかわりに支払い期間を延ばす等)に応じるわけにもいかない場合、金融機関は苦渋の決断を下さざるを得なくなります。

住宅ローンを支払ってもらえない以上は、担保に設定した不動産を競売にかけることで少しでも債権を回収する必要があるのです。

しかし、金融機関等の債権者にとっても競売はベストな選択肢とはいえません。なぜならば、競売で落札された不動産は相場よりは安くなる傾向があるからです。

さらに、競売は裁判所管轄の手続きであり、競売をすること自体に費用が発生するのです。

ここまで説明すると、一つの疑問が湧くのではないでしょうか?

競売ではなく通常の任意売却をすれば不動産は高く売れる。債権を多く回収できるのでは?

はい、そのとおりです。

しかし、金融機関が任意売却を主導するのは簡単ではありません。なぜならば、債権者が複数存在する場合の調整が大変だからです。

例えば、住宅ローンを複数の金融機関から借りていることは珍しいことではありません。また、不動産を担保にして自営業者がお金を借りている場合には他の金融機関も債権者になります。さらに、法人税、固定資産税、住民税などを支払っていない場合、不動産が国によって差押えられているかもしれません。

任意売却の最大の肝になる部分なのですが、不動産を売買するためには債権者全員に担保の設定を外してもらう必要があります。なぜならば、担保が設定された不動産を購入するお人よしはいないからです。

しかし、債権者にとって、不動産の担保設定を外すことはリスクでしかありません。仮に担保を解除したとしても、不動産が高値で売れる保証もありません。「本当に担保を外したらメリットがある取引をしてくれるのか?」という債権者一人一人の不安を解消して取引をまとめなければいけません。さらに、債権者全員を説得した後には、不動産をそれなりに高値で売却しなければいけません。

つまり、任意売却には「債権者との交渉力」、「不動産売買の営業力」の2つの専門スキルが必要なのです。

そのため、債務者個人が交渉しようとしても債権者から相手にされないでしょう。また、一般の不動産売買に特化した不動産屋では、任意売却を取り扱うことは難しいです。任意売却をしたければ任意売却に強いコンサルタントに相談するしか方法はありません。任意売却を取り扱うために必要な資格は特にありませんので、任意売却業者の実力を判断する一番確実な指標は「実績」です。

任意売却のスキルや実績がない業者に相談すれば、債権者の意見調整ができずに競売が開始されてしまったり、不動産を二束三文で売却されて債務が多く残ったりと、人生を台無しにされるリスクがあります。任意売却の事務的な手続き自体は、債務者自身がやるべきことはほとんどありませんので、業者を選定する時点で任意売却の成否が決まるといっても過言ではないと思います。

さて、任意売却についてあらかたの概略は説明しました。

ここからは、任意売却のメリット・デメリットについて整理していきます。

任意売却のメリット(3)

任意売却の主なメリットは9つあります。

  1. 競売よりも高値で売却
  2. 残債をなるべく少なくできる
  3. 所有者の意思で売却できる
  4. 引渡し時期に融通がきく
  5. 外部に情報が漏れない
  6. 持ち出し費用が少ない
  7. 手元に資金を残せる可能性
  8. 残債務の返済交渉が可能
  9. 自宅に住み続ける可能性

競売は、債務者・債権者との間の亀裂を修復できない時の最終手段です。

そのため、基本的に債権者から債務者への配慮はありません。

一方で、任意売却は債務者・債権者の両方にメリットがある有効な手段です。話し合いによって円満解決でき、誰も犠牲にならない処理方法です。そのため、債務者の任意競売後の生活にある程度の配慮を債権者から引き出すこともできます。

任意売却の詳しいメリットについては、以下の記事でじっくり解説しています。

競売と比較して、どれだけ任意競売が債務者にとってメリットがある解決方法なのか知ることができます。

任意売却のデメリット(4)

任意売却のデメリットは、信用情報に傷がつくことです。

俗に「ブラックリストに載る」などといいます。

信用情報に傷がつくと、一定期間が過ぎるまで新規のローンが組めなくなります。

但し、信用情報が傷つく直接の原因は任意売却ではありません。金融機関からの督促状・催促状を無視して住宅ローンを6ヶ月滞納し、「期限の利益」を喪失することが信用情報が傷つく直接の原因です。

なお、期限の利益とは、住宅ローンの一括返済を求めないという金融機関との契約のことです。期限の利益があるからこそ、金融機関の経営状態が芳しくなくとも、「住宅ローンを一括で支払え!」と要求されることはありません。いわば、住宅ローンを約束通り支払い続けている以上は、期限の利益に守られている状態なわけです。

住宅ローンを滞納し「期限の利益」を喪失することで、金融機関はあなたにローン残債の一括返済や競売を要求することができます。

実は、正常に住宅ローンを支払い続けている限りは、任意売却はできません。なぜならば、金融機関としては着実にローンを支払い続けてもらうのが理想だからです。住宅ローンの支払いが苦しくて生活がギリギリになってでも、住宅ローンを払い続けて欲しいというのが金融機関の本音です。そのため、任意売却ができるのは期限の利益を喪失し、住宅ローンが不良債権化し、代位弁済がなされてからです。

なお、代位弁済とは保証会社があなたのかわりに金融機関に残債を支払うことを意味します。この段階で、住宅ローンの交渉を金融機関と行うことはできません。住宅ローンをやっぱり払いたい、住宅ローンの条件変更に応じて欲しいといった主張は全て認められません。住宅ローンの返済についての交渉は、全て保証会社や、保証会社から委託を受けた債権回収会社と行うことになります。

以上の理由で、任意売却をするためには信用情報に傷がつくことを覚悟しなければいけません。

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