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相続手続きが全部やり直し!戸籍謄本の収集をサボれない理由と対策

相続手続きが全部やり直し!戸籍謄本の収集をサボれない理由と対策

戸籍謄本の収集は生前にやっておきましょう!

相続人本人たちにとって、相続人を確定する作業は、なんとなくで終わらせてしまいがちです。

お父さん、お母さんが亡くなれば相続人は、息子・娘の私たち以外にいるはずがない」と考えるのは当然なのかもしれません。

しかし、相続人は、相続する権利をもつ人間が他にいないか絶対に確認しなければなりません。

なぜならば、相続の分割協議終了後に新たな相続人が現れれば全ての協議がやり直しになってしまうからです。

相続人が後から現れるケースには、以下のような場合があります。

  • 被相続人に離婚歴があり前妻との子供がいた
  • 愛人との間に認知した子供がいた
  • 知らないうちに養子になっていた人物がいた etc

以上のようなケースが後から発覚することを防ぐ唯一の方法は、被相続人の生まれてから現在までの戸籍謄本一式を揃えて中身を確認することです。

しかし、戸籍謄本一式を相続人が揃えることは、予想以上の手間と時間がかかります。

そのため、残された相続人のことを想えば、被相続人のあなたが生前に戸籍謄本一式を揃えておくのがベストです。

取り寄せた戸籍謄本には、有効期限はありませんから元気なうちに取り寄せておくと良いです。

そこで今回は、戸籍謄本を取り寄せる際に具体的に知っておくべき知識を紹介していきます。


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相続手続きに欠かせない戸籍謄本の収集方法

戸籍謄本の収集方法を、以下のテーマに沿って説明していきます。

  1. 相続人を確定しないとダメな理由
  2. 戸籍謄本を収集する期限
  3. 遺言の有無で必要な謄本の種類が違う
  4. 一生を通じた戸籍謄本の取り寄せ方(遺言書がない場合)
  5. 戸籍の種類

相続人を確定しないとダメな理由(A)

まず最初に、相続人を確定することの必要性について説明しておきます。

相続人を確定しないと、以下の不都合が発生します。

  • 相続人が新たに現れると相続協議やり直し
  • 被相続人の預金や不動産の名義書き換えができない

遺産分割の話し合いは、相続人全員の合意が大原則です。

ですから、仮に遺産分割の話し合いの後に、隠し子の存在が発覚すれば、全ての手続きがやり直しになります。

戸籍謄本を収集する期限(B)

戸籍謄本を収集する期限は「なるべく早く」です。

被相続人の死後にやらなければいけない主な作業を箇条書きにします。

  • 相続人の確定
  • 相続放棄または限定承認の手続き
  • 相続財産の評価
  • 遺産分割協議・協議書作成
  • 相続税額の計算
  • 相続税の申告・納付(10ヶ月以内厳守!)

以上の手続きを10ヶ月以内に取り行う必要があります。

相続人の確定の後には他の相続人と協議しながら進めなければいけない作業が目白押しです。

そのため、特定の相続人だけが作業をすれば完了する性質のものではなく、相続人全員の合意をとるのに時間がかかります。

もしも、被相続人が亡くなった時点で被相続人の戸籍謄本一式が手元にあれば、すぐに相続人の確定作業に入れます。

しかし、一点注意事項があります。

これまで、「相続人の負担を軽減するためにも、戸籍謄本を収集したほうがいい」という主張を繰り返してきましたが、どんな場合でも必ず戸籍謄本一式が必要というわけではありません。

遺言書の有無によって、相続に必要な書類にはバラつきがあります。

次に、遺言書の有無により必要になる書類を整理しておきます。

遺言の有無で必要な謄本の種類が違う(C)

遺言書がある場合とない場合の、必要書類について以下に整理しました。

書類 遺言書
アリ
(C-1)
遺言書
ナシ
(C-2)
遺言書
除籍謄本
(被相続人)
戸籍謄本
(被相続人との関係がわかるもの)
印鑑証明
(遺言執行者)
遺産分割協議書 ○ 
戸籍謄本
(出生から死亡まで)
○ 
戸籍謄本
(相続人全員)
印鑑証明
(相続人全員)
 ○

遺言書がある場合の基本書類(C-1)

遺言書がある場合の相続は、指定相続といいます。
指定相続では、なによりも被相続人の意思が尊重されます。

そのため、被相続人が「この人に相続させる」と指定した人と被相続人の関係がわかる戸籍謄本さえあればよいのです。
例えば、遺言書に「妻」とかかれていれば、本当に妻であるか戸籍謄本で証明する必要があります。

さらに、被相続人が本当に死去したか裏取りするために、被相続人の除籍謄本が必要になります。
(除籍謄本とは、戸籍の中に存命の人物が存在しないことを証明する書類のこと)

つまり、被相続人であるあなたが遺言書を用意する予定であれば、自分の戸籍謄本一式を取り寄せる必要はありません。

どんなに頑張っても、自分の除籍謄本を生前に取り寄せることはできないです。

遺言書がない場合の基本書類(C-2)

遺言書がない場合には、民法の規定に忠実に沿って手続きをする必要があります。

そのため、相続する権利がある人が漏れていないか確認するため、被相続人が生まれてから現在までの戸籍謄本を全て取り寄せる必要があります。

相続トラブルを避けるために、遺言書を作成することをオススメします。

しかし、遺言書の作成はあくまでも本人の意思で作成するものですから、誰にも無理強いされる性質のものではありません。

そのため、もしも遺言書を作成しないのであれば、せめて戸籍謄本を取り寄せておきましょう。

さて、ここからは一生を通じた戸籍謄本の取り寄せ方について具体的に解説していきます。

一生を通じた戸籍謄本の取り寄せ方(D)

基本的に、除籍謄本や戸籍謄本は、本籍地のある市区町村役所で手に入れることができます

また、本籍地のある市区町村役所が遠方にある場合には、郵送で取得することも可能です。

各市区町村役所のホームページで、取得に必要な書類や手数料は記載されていますし、具体的な手続き方法で悩むことはないでしょう。

むしろ、問題となるのは、被相続人の生まれてからの戸籍謄本は何種類あるのかということだと思います。

自分が生まれてからの戸籍を取り寄せることは、自らの人生のイベントを振り返る作業と同義です。

具体的には、以下に箇条書きにしたイベントで戸籍が新しくなっている可能性が高いです。

  1. 生まれる(親の戸籍)
  2. 結婚する(新しい夫婦の戸籍)
  3. 親が亡くなる(新しい本籍地の戸籍)
  4. 引越しする(新しい本籍地の戸籍)
  5. 離婚する(新しい本籍地の戸籍)
  6. 現在の戸籍

以上の戸籍のうち、絶対に必要なのは「a 親の戸籍」と「f 現在の戸籍」です。(なんらかの事情により無戸籍でない限り)

それ以外のイベントを相続人が知らなければ、その時点での戸籍を集めるのに苦労するかもしれません。

例えば、あなたが過去に結婚して新しい戸籍にうつり、離婚と同時に親の戸籍に戻り、その後再婚と同時に新しい戸籍に入ったという過去があったとしても、それを今の家族に知らせていない場合を考えてください。

残された家族からすれば、寝耳の水の話であり、予想以上の負担になるでしょう。

繰り返しになりますが、相続人の負担を軽減するためにも生まれてから現在までの戸籍を収集しておきましょう。

もしくは、「遺言書」を生前に作成しておきましょう!

さて、最後に知っておくと役に立つ戸籍用語について補足しておきます↓↓

戸籍の種類(E)

ここでは、以下の3種類の戸籍について解説します。

  1. 戸籍全部事項証明(戸籍謄本)・個人事項証明(戸籍抄本)
  2. 除籍全部事項証明(除籍謄本)・除籍個人事項証明(除籍抄本)
  3. 改製原戸籍謄本・抄本

戸籍全部事項証明(戸籍謄本)・個人事項証明(戸籍抄本)(E-1)

現在の戸籍の内容を証明するものです。

「全部事項証明」は、戸籍に載っている者全員の証明書類です。
「個人事項証明」は、一部の者の証明になります。

なお、コンピューター化した戸籍(印字されている戸籍のこと)を「全部事項証明」、「個人事項証明」といいます。

一方で、コンピューター化していない戸籍を「戸籍謄本」、「戸籍抄本」といいます。

日本では、平成6年の戸籍法改正により、戸籍のコンピューター化が全国の役所ごとに順次行われています。
そのため、全ての戸籍が電子化されているわけではありません。

日本では、会話の中では未だに「戸籍謄本」が用いられることが多いように思います。
しかし、「全部事項証明」と「戸籍謄本」という別々の書類が存在するわけでありません。

多くの人がいっている「戸籍謄本」は、ほとんどのケースで「全部事項証明」のことを指しています。
混乱しないようにしてください。

除籍全部事項証明(除籍謄本)・除籍個人事項証明(除籍抄本)(E-2)

除籍全部事項証明とは、戸籍に載っている者が、転籍(本籍を移転すること)・婚姻・死亡などの理由で除籍になったことを証明するものです。

「全部事項証明」は、戸籍に載っている者全員を証明するものです。
一方で「除籍個人事項証明」は、一部の者の証明になります。

なお、平成6年の戸籍法改正後以降のものは、「除籍全部事項証明」、「除籍個人事項証明」といいます。

一方で、電子化以前のものは「除籍謄本」、「除籍抄本」といいます。

戸籍法改正の前後で呼び名が変わっただけで、「除籍全部事項証明」と「除籍謄本」は同じ書類です。

改製原戸籍謄本・抄本(E-3)

戸籍は、様式変更や電子化により、改製(作りかえ)されることがあります。

改製原戸籍とは、改正前の元の戸籍に載っている内容を証明する文書のことです。

相続の実務上、改製原戸籍謄本・抄本が必要になる場合がありますので注意してください。

例えば、被相続人に離婚歴があった場合、婚姻時の戸籍にはその情報が記載されます。
具体的には、戸籍から抜けた人には「×」がつきます。
そして、戸籍に残された人には「離婚」についての事項が記載されます。

しかし、その後の法改正により新しい戸籍がつくられると、
それらの情報の一部が記載されていない可能性があるのです。

つまり、もしかしたら父に離婚歴があり、子供がいても
新しい戸籍からでは読み取れないかもしれないのです。

相続人を確定させる作業には落とし穴もあることは覚えておきましょう
もしも、途中で不安になったら税理士などの専門家に相談することも検討してください。

なお、税理士、弁護士、行政書士、司法書士などの専門家が対応できる業務については、
以下の記事にまとめていますので参考にしてください。

まとめ

戸籍謄本には、有効期限はありません。

遠方から戸籍謄本を取り寄せるにしても、1ヶ月程度の時間がかかる場合もあります。

被相続人の死後に戸籍謄本を取り寄せる作業は、意外に時間を浪費する原因の一つです。

くれぐれも早めに戸籍謄本の取り寄せに動きだしましょう。

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