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60歳からの得する・損する働き方~知らないと年金ゼロの悲劇!

60歳からの得する・損する働き方~知らないと年金ゼロの悲劇!

60歳から損する働き方はあるのだろうか?

これからの時代は60歳で引退できるのは、よほど裕福な方や計画的な資産運用に成功した人に限られるかもしれません。

しかし、年金を受給される直前まで働く場合には注意が必要です。なぜならば、もしかすると受給されると思っていた年金が1年間全く支給されないという可能性があるからです。

真面目に掛金を払い続けてきて、自分や家族や社会のために働くことを決断したのに、年金が減らされるなんて絶対に納得いかない!

夫の厚生年金を頼りにしていたのに、再雇用されたばかりに年金が減らされるなんて理不尽極まりない!

以上のような想いを抱くのはもっともだと思いますが、今の年金制度の上では引退後に働くことで、逆に年金が減額される事態が発生しています。

なぜ年金が減額されるのかを順に説明していきます。


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60歳からの働き方を考える上で知っておくべき制度

60歳からの働き方

上図は、定年してからの収支のうち、プラスの要因として働くもの(青字)と、マイナスの要因として働くもの(オレンジ)を整理したものです。

上図では「A 再雇用の賃金」~「H 高額療養費制度」の8項目を並べていますが、順不同で簡単に紹介していきます。

  1. 「A 再雇用の賃金」及び支援制度(C,D,E)
  2. 厚生年金のおさらい
  3. 「F 在職老齢年金」
  4. 「G 失業保険」
  5. 「H 高額療養費制度」

再雇用の賃金・支援制度(a)

再雇用先の賃金と大きく関連する制度の一つに、「C 高齢雇用継続給付金」があります。この制度は、再雇用時の給与が60歳時点の給与の75%を下回る場合に補助される仕組みです。最高で再雇用後の賃金の15%が支払われます。

しかし、この補助金を受け取ると再雇用時に受け取っている賃金の6%が厚生年金から減額されてしまいます。但し、プラス分とマイナス分を合算すれば、プラスになるので心配する必要はないと思います。

なお、「高齢雇用継続給付金」制度は、退職した直後に再雇用されずに期間が空いた場合でも活用できるのが特徴です。例えば、60歳で退職し1年の休養を経て61歳で就職する場合であっても、あくまで60歳時点での給与を基準に給付金の額が決まります。

また、もしも退職後にサラリーマンから独立して自営業を考えている方は、「D 教育訓練給付金」や「E 女性・若者・シニア創業サポート事業」をフル活用するのもオススメです。

教育訓練給付金は、雇用保険に加入していて3年以上努めた会社を退職したあと1年以内であれば、資格試験のための勉強にかかる費用の20%が給付されます。

また、女性・若者・シニア創業サポート事業では、起業資金が無担保、低利で融資されます。

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厚生年金のおさらい(b)

この記事の中で厚生年金について知っておいて欲しいことは、たったの2点です。

  • 厚生年金の支給額は65歳と70歳で改定される
  • 厚生年金は70歳まで加入できる

厚生年金の支給額は65歳と70歳で改定されます。この時に実際にいくら支払われるかは未知数ですが、「金額が変わる」ということだけは覚えておく必要があります。

なぜならば、これから説明する「F 在職老齢年金」は厚生年金の金額に影響を受ける制度だからです。

また、厚生年金は70歳まで加入できるという事実を覚えておきましょう。逆にいえば、70歳以降は働いていても厚生年金には加入できないため、保険料の支払いが求められないかわりに以後の年金の増額も望めません。

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在職老齢年金(c)

在職老齢年金とは、聞きなれない言葉かもしれません。この制度は、年金支給時期に働くことで本来もらえるはずだった年金がカットされる制度のことです。

いわば、「リタイア後も働けるならば、生活の面倒は自分でみてくださいね」という制度です。一億総活躍を推進する裏でこんな制度が導入されていたのかと驚く方もいると思います。

なお、冒頭でお伝えした「年金がゼロ」になる可能性を秘めている制度なので、60歳以降に働く可能性のある人は全員知っておくべき制度だと言えます。

誰もが「一体いくら減額されるのか?」と疑問に思うと思いますが、その計算式をお伝えする前に60歳を過ぎて再雇用される直前にもらっている(もしくは想定される)「月あたりの賃金」を計算してください。

月あたりの賃金

例えば、退職後に1年間無職で過ごし、その後再雇用される場合には「ゼロ」だと思います。

しかし、ホンダのように65歳まで正社員として雇用する企業が今後増えてくれば、66歳から再雇用される場合に月あたりの賃金が高くなる方もいるでしょう。また、固定給は少ないけれどもボーナスが多いという方の場合も、月あたりの賃金は大きくなると思います。

さて、次に「本来賃金」を計算してみましょう。なお、「本来賃金」という言葉は、はぴネの造語です。

本来賃金

ここまで計算できれば、在職老齢年金でいくら厚生年金が減額されるか調べるもう一歩のところまできています。

実は、在職老齢年金でいくら厚生年金が減額されるのかを調べる計算式は、年齢、本来賃金、月あがり賃金によって、算出する計算式自体が異なります。

以下にどの計算式を当てはめるべきか判断するチェックシートを作成したので、ご自身がどこに当てはまるか確認してみてください。

在職老齢年金 計算式

なお、上図右側で算出される数字は、「支給額」ではなく「厚生年金から減額される金額」ですから間違えないようにしてください。

また、上図をみても直感的にはわかりづらいかもしれませんが、65歳という年齢が年金減額を考える上で一つの分岐点であることは明らかです。

つまり、60歳~65歳までは働いて稼げば稼ぐほど本来受け取れるはずだった年金が搾取されていきます。一方で、65歳以上になれば厚生年金が満額支給されやすくなります。

以上を総合すると、60歳~65歳までは減額されないラインを狙って抑え目に働き、65歳からは頑張って働くのが賢い働き方です。

とはいえ、65歳以上から本格的に働くのは現実的ではないかもしれません。

在職老齢年金の減額措置を最小限にする方法(c-1)

ここまでの説明で、年金が減額される仕組みが理解できたと思います。特に再雇用前にボーナスを沢山もらってしまった方は、注意しましょう。

例えば、「再雇用先での賃金とは別に、月々15万円~16万円の厚生年金がもらえる!」と内心ウキウキしていたのに、蓋を開けたら厚生年金「0円」では、とても残念な気持ちになることは間違いありません。

では、在職老齢年金の減額措置を最小限にするためにはどうすればいいのでしょうか。具体的な方法は3つあります。

  • 無収入の期間をつくる(案1)
  • 厚生年金に加入しない(案2)
  • 独立するリスクをとる(案3)
無収入の期間をつくる(案1)

厚生年金を減額されないためには、「月あたりの賃金」をいかに下げるかが大事です。

もしも再雇用前の1年以内に巨額のボーナスなどをもらっている場合には、そのボーナスを月あたりの賃金に含めなくていいように空白部分を作って上げると良いでしょう。

厚生年金に加入しない(案2)

厚生年金に加入しなければ、在職老齢年金の制度による減額は発生しません。

そのため、厚生年金に加入しないで再雇用を目指すという考えもあります。しかし、2016年10月からの制度変更でハードルが高くなります。

2016年10月以前は、従業員が500名以下の企業で働くか、従業員が501名以上の企業で働く場合でも週の労働時間が30時間未満であれば厚生年金に加入する必要がありませんでした。

しかし、2016年10月からは、従業員数501名以上の企業でも以下の3つの条件のどれかに該当すると強制的に厚生年金に加入させられることになったのです。

  • 週20時間の労働
  • 1年以上の雇用継続見込み
  • 月々の賃金8.8万円以上

厚生年金がもらえない一方で、厚生年金の積立を継続するということですから、70歳以降にもらえる厚生年金を増やせるのは間違いありません。

しかし、本来もらえるはずだった厚生年金は一生取り戻せないわけですから、納得いかない人の方が多いでしょう。

独立するリスクをとる(案3)

サラリーマンとして働くことで年金が支払われないという不条理は許せないけれども働きたい方は、独立するしか方法はありません。

その場合は、先ほど紹介した教育訓練給付金制度を利用して、社労士、FP、行政書士、不動産鑑定士などの資格を取得して独立するのも良いでしょう。

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失業保険(d)

2017年1月から65歳以上でも雇用保険に加入することができるようになりました。

雇用保険の保険料は年齢に関わらず賃金の0.4%です。その程度の掛金を支払えば、「介護休業給付金」(家族一人あたり93日分までは、賃金の67%が支給される)や「失業手当」が支給される権利が与えられるのですから、加入しても損はないでしょう。

しかし、失業手当は厚生年金とダブルで受給することはできないので、失業手当よりも厚生年金受給額が高い場合には、失業手当を申請するべきではありません。

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高額療養費制度(e)

高額療養費制度では、70歳未満で年収約370万円までの人であれば、自己負担額の上限が5万7600円と決められています。

しかし、年収が370万円を超えると自己負担限度額は「8万1000円+(医療費-26万7000円)÷100」になります。

再雇用先での収入が、高額療養費制度にも影響を与えることは覚えておきましょう。

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まとめ

自動車メーカーのホンダのように、これから正社員での雇用期間を引き伸ばす企業は増えてくると思います。

しかし一方では、働けば働くほど取り返せない年金減額分は増えていくという現実があります。

だからこそ、どのような働き方をすれば一番得するのかを、納得がいくまでシミュレーションしてみましょう。

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